ぶらり、大山 〜大山の不思議と素敵を語る〜
[第17回]大雪予測
大山周辺では雪にまつわる言い伝えがいくつかあります。
たとえば、「大山寺集落に3回雪が降り積もると下界にも雪が降る。」
また、大雪になるかどうかについては4つありますので、紹介します。
1.「ナナカマドの実が多い年は大雪になる。」
紅葉が美しいナナカマドは、年によって実のつきが異なり、多い年は枝がしなるほどになります。今年の実のつきは少ないようです。
2.「ダイセンキャラボクの実の多い年は大雪になる。」
ダイセンキャラボクは、大山の7合目以上に多く自生しています。特に9合目に広がる8haにもわたる純林は、国の特別天然記念物に指定されています。また鳥取県の木にもなっています。ダイセンキャラボクは雌雄異株ですので、雌木しか実がつきませんが、赤く色づいた実は甘くておいしく、庭に植えてあるのを食べられた方もあるでしょう。この実が多くつく年は大雪なるとも言われます。今年の実はたくさんついています。
3.「カメムシが多く発生する年は大雪になる。」
寒くなると冬になるのを察知したかのごとく、カメムシが家の中に入ってきます。忍者のようにどこからともなく入り込み、冬の間暖かい部屋の中で過ごそうとする習性をカメムシはもっています。今年はカメムシが多く、たくさん部屋の中に入ってきます。
4.「カマキリの卵が高い所に産みつけてある年は大雪になる。」
カマキリの卵は秋に産み付けられ、春には幼虫が孵化します。その卵が雪の中に埋もれてしまうと腐ってしまい、新しい命は生まれません。そのため、雌のカマキリは大きな腹を抱えながらできるだけ上に産卵する必要があります。一説によると、カマキリはその冬の積雪が多いか少ないかを予測する特殊な能力があり、予測される雪の深さより上に産卵するといわれています。確かに、カマキリの卵が膝くらいの高さにある年もあれば、頭の高さにある年もみられます。今年は頭の高さに産んであることが多いようです。
さて、今年の雪はどうでしょうか。
皆さんも身の回りの自然に目を向けて、この4つの言い伝えを検証してみてください。
ヒメボタル