ぶらり、大山 〜大山の不思議と素敵を語る〜 大山開山1300年祭 特別コラム

[第21回]スノーシューパラダイス奥大山・鏡ヶ成

1)雪原散策(正面は烏ヶ山).png

2月になると積雪も安定し、スノ-シューが存分に楽しめる季節になります。一般的には北麓の大山寺エリア(大山ホワイトリゾート周辺の宝珠の森など)がフィールドして知られていますが、実は南麓の奥大山エリアが知る人ぞ知るスノーシューのパラダイス。特に烏ヶ山の裾野に広がる高原・鏡ヶ成は標高が高いこともあって積雪も多く、急斜面だけでなく緩やかな斜面や平地も多いため多彩に楽しめるフィールドとなっています。平らな雪原を歩くのも良し、緩やかな斜面を登って、急斜面を駆け降りるのも実に楽しい体験です。雪が深いと、まるで宇宙遊泳。想像できないかもしれませんが、初めてスノーシューを履いた人が斜度30度近くの急斜面を難なく飛ぶように下りていきます。スノーシュ-の容易さには舌を巻いてしまいます。以下の写真3枚がその様子ですが、まず閉鎖になっている峠に向かう緩やかな道をゆっくり登っていきます。

2)積雪のため閉鎖になった道を登る.png

峠近くまで登ったらブナの大木が並ぶ森を抜け、鏡ヶ成を見下ろす象山上部へ進みます。この象山の南側斜面は大きな木がないため(もともとスキー場で草地、低木のため)、斜面全体がスキー場のような状態。斜度は場所によってはスキー場の上級者コース並みで、慣れないと尻込みしそう。

3)象山上部から鏡ヶ成を見下ろす.png
4)急斜面を一気に下る〝雪中遊泳”.png

ですが、ふかふか雪で転んでもケガをしないと割り切ることができれば、あとは勇気だけ。えいや!と足を前に進めれば、まさに"雪中遊泳"。経験したことのないような快感に溺れてしまいます。登るのに1時間かかったのに、この調子で下れば途中休憩も入れて10分程。わずかな時間ではありますが、アドレナリン大放出の濃密な時間となります。

7)ブナの原生へ続く雪原.png

2月後半になると、雪も締まってきて、さらに深い森に入ることも可能になります。烏ヶ山直下のブナの原生林が広がる森もその一つ。グリーンシーズン(積雪期以外)は人が入れる道などないことはもちろん、低木やクマザサなどが繁茂し入山することが困難ですが、この時期だけは大丈夫。とはいっても入山には条件があります。まず、晴れて天候が安定していること、そして土地勘のあるガイドが必要です。

5)ブナの森から烏ヶ山が顔を出す.png

この森には大山で最大のブナ(幹回り約5.8m)がありましたが、数年前に台風(枯れかかっていた上に、強風で倒されたのではないかと…)で折れてしまいました。この巨木は幻となりましたが、その巨木の近くには3本の大きなブナが並んで成長し、遠くから見ると巨大な一本のブナに見えたりする珍しい風景も。どうやらこのあたりは、南側を向く谷間のようなところで、強い風が吹きぬけない場所でもあるため倒木しにくいらしい…。

6)3本のブナの大木が並び一本の巨大ブナに見える.png

スノーシューは休暇村奥大山でレンタルすることもできますし、大山寺のモンベルショップなどでもレンタルすることができます。またガイドが必要であれば、拠点施設でもある休暇村奥大山に相談されるのがいいかと思います。この冬は是非、スノーシューで"アドレナリンラッシュ"を体験ください。

BUNAX

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